高速道路の注意点|渋滞最後尾・トンネル入口と故障時の退避場所、備えておきたい安全用品
公開
執筆・確認: くるまノート(2級自動車整備士資格)
先に結論
高速道路の渋滞最後尾やトンネル入口での注意、事故・故障時に車より後方のガードレール外へ退避する理由と例外を解説。三角表示板・赤いLED非常信号灯・紫の停止表示灯の違いと購入候補も紹介します。
カートークで迷いやすいポイントを、資格で学んだ知識と個人での経験をもとに整理しています。 安全面に関わる作業は車種や状態で判断が変わるため、不安がある場合は整備工場や販売店への相談も検討してください。

この記事でわかること
- 渋滞の最後尾は、止まる前から備える
- トンネル入口は、明るさの変化と前車の減速に注意
- 事故・故障で止まったら、車のそばに残らない
- 退避先は「車より後方のガードレール外」が原則
カートークについて、資格で学んだ知識と、記事末尾に掲載した主な参考資料をもとに整理しています。
高速道路で特に気をつけたいのは、渋滞の最後尾に追いつくとき、トンネルに入るとき、そして事故や故障で止まってしまったときです。走っている間の注意と、止まった後の行動は分けて覚えておきましょう。
先に結論をいうと、渋滞末尾では早めの減速、トンネル入口では明暗差と前車の減速に備えた速度調整と車間距離。事故・故障で停車したら、全員が車から離れ、原則として車より後方のガードレール外の安全な場所へ退避します。
ここでいう「車より後方」は、後続車が近づいてくる側です。ただし、車の真後ろの路肩で待つ、という意味ではありません。防護柵の外でも、足場や斜面、転落のおそれを確かめる必要があります。
なお、通常の渋滞で停止しているだけなら、車外に出ないでください。 この記事の「全員が退避する」は、事故・故障による緊急停車の話です。
渋滞の最後尾は、止まる前から備える
流れが速い区間から、急に車列の最後尾が現れる場面は要注意です。前の車に追いついてから強くブレーキを踏むと、自分の車だけでなく、後続車も慌てて減速することになります。
情報板の「渋滞」「事故」「この先停止車両」などを見たら、その先に止まった車がいるつもりで、遠くまで見通して走りましょう。カーブの先や坂の頂上付近など、先が見えない場所では特に余裕を持ちます。
- 前方のブレーキランプや車列の動きを見て、早めに速度を落とす。
- 最後尾に近づいたら、ハザードランプで後続車に合図する。
- 合図だけに頼らず、前車との車間を十分に確保する。
- ミラーで後ろの状況も確認する。ただし、後ろばかり見て前方確認を怠らない。
ハザードを点ければ追突されない、ということではありません。周囲に知らせる操作と、自分が確実に止まれる速度・車間の両方が必要です。流れが戻った後は、周囲の状況を確認してハザードを戻しましょう。
渋滞中に隣の車線が少し進むたびに移動すると、後ろの車の減速や接触につながります。焦って車線を渡り歩かず、前車が動き始めても、すぐに間を詰めすぎないようにします。
NEXCO中日本の安全案内も、渋滞末尾でのハザードによる合図と十分な車間を呼びかけています。
トンネル入口は、明るさの変化と前車の減速に注意
トンネルの入口は、明るい屋外と暗い内部の差で、先が見えにくくなる場所です。周囲の圧迫感などから、前車が無意識に速度を落とすこともあります。
「前の車は同じ速度で進むはず」と決めつけず、入口の手前から車間に余裕を持ちます。暗くなったことに驚いて入口で急ブレーキを踏むような走り方は避け、道路状況に合わせて手前から穏やかに速度を調整しましょう。
ライトも入口の手前で確認します。オートライト付きでも作動を決めつけず、ヘッドライトが点灯しているか、取扱説明書に沿って確かめておくと安心です。暗いサングラスなどで見えにくくならないよう、走行中に慌てて操作しない準備も大切です。
トンネルの中で渋滞していることもあります。出口の明かりだけを見つめず、目の前の車や車列の動きを確認してください。入口や内部では、必要のない車線変更も控えます。
明暗差やトンネルでの錯覚については、JAF「トンネルで起こる不思議な錯覚とは?」が参考になります。

※AI生成の説明用イラストです。実際の道路状況や車間距離を再現したものではありません。
事故・故障で止まったら、車のそばに残らない
路肩に寄せて止まれたとしても、そこは安心して点検できる場所ではありません。後続車が停止車両に気づかず突っ込んでくるおそれがあるためです。
「エンジンがかかるか見てみよう」「タイヤだけ交換しよう」「ロードサービスを車内で待とう」と考える前に、まず人の安全を確保します。
- ハザードランプを点け、動かせる状態なら、できるだけ左の路肩や非常駐車帯などへ寄せる。
- 周囲を確認し、安全に使える側のドアから同乗者を退避させる。荷物を取り出すためにとどまらない。
- 発炎筒・非常信号灯や停止表示器材で、無理のない範囲で後続車へ知らせる。
- 運転者も車から離れ、全員で安全な場所へ退避する。
- 退避先から通報し、道路管理者・警察・救援担当者の指示を受ける。
この順番を守るために危険な場所へ残る必要はありません。火災、交通の流れ、けがの状態などによって、できることは変わります。器材を出すことより、自分と同乗者がはねられないことを優先してください。
本線で車が止まってしまった場合も、道路を横断したり、後続車を手で誘導しようとしたりしないでください。安全な退避経路を確保できない場合は、無理に飛び出さず、直ちに通報して状況を伝えます。
退避先は「車より後方のガードレール外」が原則
覚えておきたいのは、「車外に出る」「車から離れる」「車より後方の、防護柵外の安全な場所へ」の3点です。
進行方向を前とすると、後方は後続車が来る側です。進行方向の手前側、と考えても構いません。ただし、車の直後で待つのではなく、車道から離れた防護柵外の安全な場所へ移動します。
車の前で待つと、後続車に追突された自分の車が押し出されてくるおそれがあります。車の後ろでも、路肩や車体のすぐそばは安全な待機場所とはいえません。ガードレールを挟み、車から離れることまでセットで考えましょう。
ガードレールの外を、確かめずに越えない
橋や高架では、防護柵の向こうに地面がないことがあります。急な斜面、側溝、草で隠れた段差などにも注意が必要です。
「外へ出れば必ず安全」と思い込まず、足元と退避経路を見ます。外へ避難できない場所では、無理に乗り越えず、車から離れた後方の、できるだけ交通から隔てられる場所を選び、通報先の指示に従ってください。
子どもや高齢者、身体を動かしにくい人がいる場合は、出発前に誰が付き添うか話しておくと役立ちます。安全な場所へ移る際も、車道側へ広がらず、全員が離れ離れにならないようにします。

※AI生成の説明用図解です。位置関係を示した模式図で、退避距離や現場の安全を保証するものではありません。橋・高架などでは無理に柵を越えないでください。
詳しい流れは、JAF「高速道路で事故や故障が発生したらどうすればいいのですか?」も確認してください。
トンネル内で故障した場合は、非常口などを確認
トンネルの中には、外の路肩と同じような退避場所がないことがあります。走れる状態ならトンネルの外や非常駐車帯へ移動し、無理なら可能な限り左側へ寄せて停車します。故障の状態によっては走り続けること自体が危険なため、無理に自走しないでください。
停車後は非常口や避難通路の案内を確認し、安全な場所へ退避して通報します。火災や煙がある場合は、放送・表示や係員の指示に従って避難してください。
火を使う発炎筒は煙で視界を悪くするため、トンネル内では使えない場合があります。煙が出ないLED非常信号灯を備える意味はありますが、それだけで退避や停止表示が不要になるわけではありません。
JAFのトンネル内故障時の案内を、出発前に一度読んでおくと行動をイメージしやすくなります。
三角表示板・赤い非常信号灯・紫の停止表示灯の違い
「ライト式の発炎筒があれば、三角表示板はいらない」と思っている方は注意してください。似た緊急用品でも、担う役割が異なります。
| 用品 | 主な役割 | 選ぶときの確認点 |
|---|---|---|
| 三角表示板 | 緊急停車を知らせる停止表示器材 | 基準への適合、安定性、組み立て方 |
| 赤いLED非常信号灯 | 発炎筒の代わりに危険を知らせる | 車検対応などの適合表示、電池、車内での固定 |
| 紫色の停止表示灯 | 適合品は三角表示板の代わりに使える | 道路交通法施行規則への適合、設置条件、電池 |
赤いLED非常信号灯と、三角表示板または適合する紫の停止表示灯は、別の役割として準備します。 単に赤く光るライトや紫に光る照明なら何でもよい、という意味ではありません。
また、ハザードランプだけで停止表示器材の代わりにはなりません。高速道路で故障などにより運転できなくなって停止した場合は、停止表示器材で後続車に停止を知らせる義務があります。車載しているだけでは足りないため、安全に設置できるよう、事前に使い方を確認しておきましょう。

※AI生成の説明用イラストです。形状は模式的なもので、以下の実商品の写真ではありません。
メーカーも、パープルセーバーと非常信号灯の役割の違いを案内しています。
おすすめの備え:三角表示板とライト式の非常信号灯
ここでは、仕様と用途をメーカー公式情報で確認できる3点を紹介します。実使用によるランキングではなく、役割ごとの購入候補です。すでに適合品を持っている場合は、重ねて買う前に状態を確認しましょう。
三角表示板:エーモン 三角停止板 6640
電池を使わない停止表示器材を備えたい場合の候補です。メーカーは国家公安委員会認定のTSマーク付きと案内しています。ケースから取り出して組み立てる手順を、安全な場所で練習しておきましょう。
三角表示板を置くために、本線へ入ったり、危険な路肩を無理に歩いたりしないでください。設置場所や現場の見通しによって対応は変わるので、距離だけを機械的に守ろうとせず、安全な退避と通報を優先します。
商品仕様・写真出典:メーカー公式の商品情報
ライト式:エーモン 非常信号灯 ライト付 6906
一般に「LED式の発炎筒」と呼ばれるタイプで、赤い点滅に加え、白い懐中電灯機能が付いています。メーカーが車検対応と案内する製品で、単4アルカリ乾電池2本を使用します。
火を使わず、電池を交換して使える点が選ぶ理由になります。ただし、電池切れや液漏れがあれば緊急時に役立ちません。車内のホルダーへの固定、スイッチの操作、点滅状態を普段から確認してください。白いライトが付いていても、高速道路の路上で点検・修理することを勧めるものではありません。
この6906は、三角表示板の代わりにはなりません。 発炎筒の代替として選び、停止表示器材は別に準備してください。
商品仕様・写真出典:メーカー公式の商品情報
停止表示灯も選択肢:エーモン パープルセーバー 6920
三角表示板を広げて設置する方法に加え、適合する紫色の停止表示灯を選ぶ方法もあります。6920は、メーカーが三角表示板の代わりに設置できる道路交通法施行規則適合品と案内するモデルです。
屋根への取り付けはマグネット式のため、材質や形状によって固定できるか確認が必要です。後続車から点滅が見える位置に、説明書どおり設置できることも重要です。単4アルカリ乾電池4本を使用し、メーカーは充電式電池を使わないよう案内しています。
紫の停止表示灯を買っても、発炎筒の代わりとなる赤い非常信号灯の役割まで兼ねるわけではありません。 色と用途を取り違えずに選びましょう。
商品仕様・写真出典:メーカー公式の商品情報
通報は安全な場所から。場所と人数を伝える
事故の通報は110番、けが人や火災などで救急・消防が必要な場合は119番へ。道路上の故障車や落下物などは、非常電話や道路緊急ダイヤル「#9910」でも知らせることができます。通話は安全を確保した場所から行ってください。
ロードサービスを依頼する際は、次の情報を伝えられると状況の共有が進みます。
- 高速道路の名前と、上り・下りなどの進行方向。
- 近くのインターチェンジ、トンネル名、キロポストなどの目印。
- 本線・路肩・非常駐車帯のどこに止まっているか。
- 車の特徴、乗っている人数、けがや火災の有無。
- 全員が退避できているか、退避が難しい人がいるか。
場所を確認するために危険な所へ戻る必要はありません。分かる範囲を伝え、指示を受けましょう。待っている間も、車へ荷物を取りに戻らないようにします。
出発前に確認しておくこと
用品を買うだけで備えが終わるわけではありません。緊急時に取り出せる場所にあるか、同乗者も場所を知っているかまで確認します。荷物を全部降ろさないと取り出せない積み方は避け、走行中に動かないよう固定してください。
タイヤの空気圧・傷・溝、燃料や充電残量、警告灯の有無なども出発前に確認します。タイヤの点検は低燃費タイヤの選び方と空気圧管理、バッテリーの不調はバッテリー上がりの予防も参考にしてください。
雨の日は視界や路面の状態も変わります。大雨・ハイドロプレーニング現象の注意点と合わせて、天候に無理のない計画を立てましょう。
まとめ:早めに気づくことと、止まった後に離れること
渋滞末尾とトンネル入口では、前方の変化を早く見つけ、速度と車間を調整します。事故・故障で止まったときは、車内や車のそばに残らず、原則として車より後方のガードレール外の安全な場所へ。ただし、足場や転落の危険を確認し、橋やトンネルでは現場に合った退避が必要です。
三角表示板とLED非常信号灯は、用途を分けて備えましょう。取り出し方や使い方を平時に確かめておくことが、いざというときの迷いを減らします。
参考にした公式情報
- NEXCO中日本「安全なご利用」
- JAF「高速道路で事故や故障が発生したらどうすればいいのですか?」
- JAF「トンネルで起こる不思議な錯覚とは?」
- JAF「高速道路のトンネル内で故障したらどうすればいい?」
- エーモン 三角停止板 6640
- エーモン 非常信号灯 ライト付 6906
- エーモン パープルセーバー 6920
- エーモン「パープルセーバーは非常信号灯の代わりになりますか?」
※2026年10月20日に確認した情報をもとに作成しています。現場では警察・道路管理者・救援担当者の指示を優先してください。
