トヨタ86で車中泊してみた|身長175cmでもフラットに寝られた実例
公開
執筆・監修: 山さん(2級自動車整備士)
先に結論
トヨタ86で実際に車中泊。身長175cmの筆者でも後席と荷室を使えばフラットに快適に寝られました。低い屋根、助手席後ろの空間、銀マットで作る目隠しなど、寝床の作り方と安全上の注意を実写で紹介します。
カートークで迷いやすいポイントを、2級自動車整備士の視点で整理しています。 安全面に関わる作業は車種や状態で判断が変わるため、不安がある場合は整備工場や販売店への相談も検討してください。

この記事でわかること
- 結論|身長175cmでもフラットに寝られた
- 86でフラットな寝床を作る流れ
- 助手席の後ろは何かで埋める必要がある
- 身長175cmの筆者が快適に眠れた理由
カートークについて、2級自動車整備士の知識と、記事末尾に掲載した主な参考資料をもとに整理しています。
結論からいうと、筆者のトヨタ86では、身長175cmでも体を伸ばし、フラットな状態で快適に寝ることができました。
86は車中泊向けの大きな車ではありません。それでも、後席と荷室を使って寝床をつなぎ、助手席の後ろにできる空間を埋めれば、一人分の就寝スペースを作れます。
ただし、横になれる長さがあっても屋根はかなり低めです。ミニバンのように車内で座ったり、楽に着替えたりできる広さはありません。「車内で過ごす」のではなく、「横になって眠る」ことに割り切った車中泊だと考えると分かりやすいです。
この記事は、筆者の車両・身長・写真の配置で確認した実例です。86の年式や仕様、シート位置、体格、寝具の厚さによって使える空間は変わります。
結論|身長175cmでもフラットに寝られた
今回の配置では、後席を倒して荷室側まで寝床をつなげることで、身長175cmの筆者も足を大きく曲げずに寝られました。
| 確認項目 | 今回の結果 |
|---|---|
| 車 | 筆者のトヨタ86 |
| 筆者の身長 | 175cm |
| 就寝人数 | 1人 |
| 寝床 | 後席と荷室を使用 |
| 寝たときの状態 | 体を伸ばしてフラットに寝られた |
| 快適さ | 段差を整えれば快適 |
| 主な注意点 | 屋根が低く、上半身を起こしにくい |
| 必要な工夫 | 助手席後ろの空間を埋める |
| 目隠し | 銀マットを窓に合わせて加工 |
スポーツカーなので広さには限界がありますが、寝床の段差と隙間を整えれば、睡眠を取る場所としては想像以上に実用的でした。

写真は、筆者が実際に86へ寝具を広げたときの様子です。大きな室内ではありませんが、一人で横になる長さを確保できていることが分かります。
86でフラットな寝床を作る流れ
今回の寝床は、後席を倒し、荷室から車内へつながる空間へ寝具を広げて作りました。
- 後席を倒して荷室とつなげる
- 助手席を前へ動かして長さを確保する
- 助手席後ろにできる空間を安定したもので埋める
- マットや寝具を敷いて段差をならす
- 実際に横になり、肩・腰・脚へ強く当たる場所がないか確認する
見た目が平らでも、腰や肩の位置に小さな段差があると、時間がたつほど気になります。寝袋を敷くだけで完成とせず、一度横になってから高さを微調整することが快適さにつながりました。
寝具を厚くし過ぎると段差は感じにくくなりますが、その分だけ頭上空間が狭くなります。86では、床のやわらかさと屋根までの余裕を両方見ながら調整する必要があります。
助手席の後ろは何かで埋める必要がある
86で寝床を長く取るために助手席を前へ動かすと、その後ろ側に空間ができます。そのままでは寝具が沈み、体をまっすぐ支えにくくなるため、何かで空間を埋める必要があります。
使えるものは車内の形と手持ちの荷物で変わります。候補は次のとおりです。
- 高さを調整しやすい荷物
- 丈夫な収納箱
- 中身が大きく沈まないバッグ
- 重ねて高さを合わせられるクッションやマット
大切なのは、寝返りを打っても急に崩れたり沈んだりしないことです。柔らかいものだけを高く積むより、下側を安定したもので支え、その上でクッションやタオルを使って高さを調整すると寝床を作りやすくなります。
シートレール、配線、内装へ無理な力をかけないことも確認します。また、これは駐車中の就寝用配置です。走行前には寝床を片付け、運転操作や乗員の安全を妨げない状態へ戻してください。
身長175cmの筆者が快適に眠れた理由
筆者の身長は175cmです。今回の配置では、足を大きく曲げ続けることなく、フラットな姿勢で眠れました。
快適さへ特に影響したのは、次の3点です。
- 助手席後ろの空間を埋めて、寝具が落ち込まないようにした
- 体へ当たる段差をマットと寝具でならした
- 荷物を寝床の外へ整理し、一人分の幅を確保した
幅や頭上の余裕は限られますが、一人で眠る用途なら大きな不満はありませんでした。寝られるかどうかは身長だけでなく、肩幅、寝る向き、枕の位置、寝具の厚さでも変わります。
遠出の当日に初めて試すのではなく、自宅の駐車場など安全な場所で一度寝床を作り、実際に横になってみるのがおすすめです。
注意点は屋根の低さ
86で車中泊をして最も気になったのは、車内の長さよりも屋根の低さでした。
横になっている間は問題が少なくても、上半身を起こすと頭が天井へ近づきます。車内での着替え、寝具の整理、荷物の出し入れは楽ではありません。
負担を減らすには、次の準備が役立ちます。
- 寝る準備や着替えは、できる範囲で車外や施設内で済ませる
- 夜中に使う照明や飲み物を手の届く位置へ置く
- 荷物を重ね過ぎず、頭を動かす空間を残す
- 起き上がるときは、天井や内装へ頭をぶつけないようゆっくり動く
86の車中泊は、車内で長時間座ってくつろぐ使い方より、移動先でしっかり横になって休む使い方に向いています。
目隠しは銀マットを窓に合わせて加工
車中泊では、外からの視線と周囲の明かりを遮る目隠しが必要です。今回は、市販の銀マットを窓の形に合わせて加工しました。
作るときは、最初からぴったり切ろうとせず、少し大きめに切ってから少しずつ調整すると失敗しにくくなります。
- 紙や段ボールで窓のおおまかな型を取る
- 型より少し大きめに銀マットを切る
- 実際に窓へ合わせる
- 浮く部分や大きすぎる部分を少しずつ切る
- 左右と取り付け場所が分かるように印を付ける
隙間を減らすと目隠しとして使いやすくなり、外から入る光も抑えられます。軽く、丸めたり重ねたりして収納しやすい点も自作向きです。
ただし、銀マットは駐車中だけ使用します。走行前にはすべて取り外し、前後左右の視界を確保してください。また、目隠しで車内を密閉し過ぎず、天候と防犯に配慮しながら換気します。
86の車中泊で用意したいもの
今回のような寝床を作るなら、次のものがあると準備しやすくなります。
- 体の下へ敷くマット
- 季節に合った寝袋や掛け物
- 窓用に加工した銀マット
- 助手席後ろの空間を埋める安定したもの
- 小型の照明
- 飲み物
- 車内の結露を拭く布
- ごみを持ち帰る袋
照明は、就寝中のバッテリー上がりを避けるため、車の室内灯だけに頼らない小型ライトが便利です。夜中に必要な物は、暗い車内で探さなくてもよいよう、置き場所を決めておきます。
車中泊前に確認したい安全ポイント
寝床の快適さより、安全を優先します。特に重要なのは、就寝時に必ずエンジンを停止することです。
トヨタのGR86取扱説明書は、排気ガスには無色・無臭の一酸化炭素が含まれ、重大な健康被害につながるおそれがあると警告しています。窓を少し開けるだけで安全になるとは考えず、エンジンをかけたまま眠らないでください。
- 就寝時はエンジンを停止する
- 車内で火を使わない
- 天候と防犯へ配慮しながら換気する
- ドアを施錠し、貴重品を外から見えない場所へ置く
- ドアの開閉や避難を妨げる場所へ荷物を置かない
- 長時間同じ姿勢を避け、水分補給とストレッチを行う
暑い日は銀マットがあっても中止する
銀マットは目隠しや光を抑える目的には便利ですが、夏の熱中症対策としては不十分です。
JAFの炎天下テストでは、外気温35℃の条件で窓を約3cm開けても車内温度は最終的に約45℃、サンシェード使用でも約50℃に達しました。日中の試験結果ではありますが、窓開けや目隠しだけで車内を安全な温度に保てないことが分かります。
暑さを感じる日は無理に車中泊せず、冷房の使える宿泊施設などへ移動してください。寒い時期も、就寝中のアイドリングに頼らず、気温に合った寝袋・防寒着・断熱を用意します。積雪場所での車中泊は避けます。
泊まってよい場所か事前に確認する
車中泊は、宿泊利用を認めている施設を選び、現地のルールを確認します。
国土交通省の道の駅FAQでは、疲労回復のための仮眠は可能ですが、公共の駐車場での宿泊利用は基本的に遠慮する扱いとされています。宿泊用スペースのある道の駅もあるため、利用前に各施設の案内を確認してください。
86での車中泊が向いている人
今回の方法は、次のような使い方に向いています。
- 86で遠出し、途中で体を伸ばして休みたい
- 一人分の寝床を確保できればよい
- 車内の低さを理解し、眠る場所として割り切れる
- 自分で目隠しや寝床の高さを調整できる
反対に、車内で座って長時間過ごしたい人、着替えや食事も余裕を持って行いたい人、複数人で眠りたい人には窮屈に感じやすいでしょう。
まとめ|86でも工夫すれば身長175cmで寝られた
筆者のトヨタ86では、後席と荷室を使って寝床を作ることで、身長175cmでも体を伸ばして快適に眠れました。
ポイントは、助手席後ろの空間を安定したもので埋め、寝床の段差を整えることです。目隠しは、窓の形に合わせて加工した銀マットで対応できました。
一方で、屋根が低いため、車内で座ってくつろぐ用途には向きません。86の車中泊は、「広い部屋を作る」のではなく、「安全に横になれる場所を作る」という考え方が合っています。
車両の仕様や体格によって条件は変わるため、遠出の前に実際の車内で一度寝床を作り、安全性と寝心地を確認してください。
主な参考資料
執筆・更新時に参照した資料です。車種ごとの作業や指定値は、車両の取扱説明書とメーカーの最新情報を優先してください。
よくある質問
身長175cmでもトヨタ86で車中泊できますか?
筆者の車両と寝床の配置では、身長175cmでも体を伸ばして眠れました。ただし、年式、シート位置、体格、寝具の厚さで使える空間は変わるため、出発前に実車で確認してください。
助手席後ろの空間は何で埋めればよいですか?
丈夫な収納箱や沈みにくいバッグなどで土台を作り、クッションやマットで高さを調整する方法があります。寝返りで崩れず、シートレールや配線へ無理な力がかからないことを確認してください。
銀マットの目隠しは走行中も付けたままでよいですか?
いいえ。銀マットは駐車中だけ使い、走行前にはすべて取り外して前後左右の視界を確保してください。
車中泊中はエンジンをかけたままでも大丈夫ですか?
就寝時は必ずエンジンを停止してください。排気ガスに含まれる一酸化炭素が車内へ入ると重大な健康被害につながるおそれがあります。窓を少し開けても安全の保証にはなりません。
道の駅ならどこでも車中泊できますか?
道の駅は疲労回復のための仮眠には利用できますが、公共駐車場での宿泊利用は基本的に遠慮する扱いです。宿泊用スペースの有無や施設ごとのルールを事前に確認してください。